ビジネスモデルを革新しなければ成功できない事業領域のこと。ある企業が従来から取り組んでいる「コアスペース」、新規ビジネスであっても既存のビジネスモデルで対応可能な「隣接スペース」とは異なる。ホワイトスペースでビジネスを成功させるためには、新しい作品を手掛ける建築家などと同様に、ビジネスモデルという設計図を新たに描く必要がある。アップルやアマゾン・ドットコムは近年の成功企業として知られている。アップルはiPod、アマゾン・ドットコムは電子書籍端末キンドルを開発し、どちらも飛躍的な成長を遂げた。しかしホワイトスペースの枠組みによると、両社の飛躍を新製品だけで捉えてはいけない。アップルはiTunesストアを開設し、ハードウエア、ソフトウエア、デジタル音楽をセットにするというビジネスモデルで顧客の囲い込みに成功した。アマゾン・ドットコムも高い利益率で電子書籍端末を販売するために、デジタルコンテンツ販売の場を開発した。ホワイトスペース戦略の提唱者マーク・ジョンソン(Mark Johnson)は、成長を求める企業にとって、ビジネスモデルの革新こそが重要なのだと主張している。