必要最低限の労力や投資で、新製品や新サービスのプロトタイプを生み出して起業すること。リーンとは、「ぜい肉をそぎ落とした」「無駄のない」といった意味。リーン・スタートアップをすれば、小規模ではあるが、製品やサービスを実際に顧客に消費したり利用したりしてもらえる。また、起業段階で仮定した顧客ニーズの存在を確認し、提供製品やサービスとのズレがあるかないかを確認できる。もしズレがあるならば、調整や改良を施し、いちはやく完成度の高い製品やサービスへと変更できる。リーンという言葉は元々、生産や消費の分野で用いられてきた。リーンプロダクション(リーン生産方式)であれば、トヨタのカンバン方式のように、生産のための部品や材料の在庫をできる限り圧縮する。リーン消費であれば、顧客の消費プロセスの無駄を省くことによりビジネスチャンスを見いだす。いずれも、無駄な部分を取り除くことによって、高い効率性や大きな成果へと結びついている。リーン・スタートアップは資金的ゆとりのないベンチャー企業に向いているが、近年では、大企業でもリーン・スタートアップの有効性に注目するようになっている。