私たちの身の回りの製品には、動物と同じように生まれてから死ぬまでの一生があるという考え方。生まれて間もない動物は弱々しいが、時とともに大きくなり、やがて成熟した成体となる。さらに時が進むと、老化してやがて死を迎える。これと同様に製品の一生は、「導入期」、「成長期」、「成熟期」、「衰退期」の4段階に分けて捉えることができる。マーケティングでは製品ライフサイクルの各段階に応じた戦略や戦術が整理されており、市場に売り出されて間もない導入期では、売上高も利益高も少なく、まずは当該製品の存在や製品ベネフィットを人々に知ってもらうことが課題となる。成長期では、売上高と利益高が急速に伸び、ビジネスチャンスを察知した競合企業との競争が展開される。成熟期になると、売上高は安定的になるが、厳しい競争により広告宣伝費がかさみ、値崩れが生じるので、利益高は低下し始める。そして衰退期に至ると、売上高は急速に低下し、ほとんど利益も生まれないため、市場からの撤退が検討されるようになる。なお、製品ライフサイクルは、製品カテゴリーのレベルで検討することもあれば、製品カテゴリー内の特定ブランドのレベルで検討されることもある。