マーケティングにおける製品の捉え方を説明した言葉。日常生活において、私たちは製品を属性の束として捉える傾向にある。つまり、私たちが製品を見るとき、どのような素材、成分、デザイン、ブランド、価格などから成り立っているのかに注目する。ところがマーケティングでは、当該製品はどのような便益(ベネフィット)を顧客に提供できるのかが重要である。例えば、口紅という製品の場合、どのような成分やデザインでできているのかではなく、人々は口紅によってどのような問題を解決し、便益を得ているのかという視点で捉えなければならない。ある化粧品メーカーの経営者は、「われわれは、工場において化粧品を作っているが、店頭では夢を売っている」と述べているが、これは製品が便益の束であるという視点に立った発言である。