製品やサービスなどに対する関心、思い入れ、こだわりなどを総称した用語。たとえば時計好きな人は時計への関与水準が高く、自動車好きな人は自動車への関与水準が高い。一般に、ある製品やサービスに対する関与水準が高くなると、当該製品やサービスに対する情報を積極的に探索し、あれこれ考え、複雑な情報処理を行う傾向にある。そのため、関与水準が高い場合には、カタログやパンフレットなどの活字情報を求める。一方、トイレットペーパーや食卓塩のような製品に対して、高い関与水準を有する人は極めて少ない。関与という概念がマーケティング研究に持ち込まれたことにより、従来よりも消費者行動をより適切に説明できるようになった。
「関与水準」と「ブランド間の知覚差異」という2軸で購買行動を四つに類型化(複雑な情報処理、バラエティー・シーキング、認知的不協和低減、慣性)したヘンリー・アサエル(Henry Assael)教授のマトリクス(アサエルの4タイプ)がよく知られている。自動車のように関与水準が高くて知覚差異が大きい製品の場合には、複雑な情報処理型の消費行動がなされる。一方、サラダドレッシングのように知覚差異は大きいが関与水準が低い製品の場合には、バラエティー・シーキング型の消費行動となる。