エネルギー需給にかかわるさまざまなリスクに対応して、その安定の度合い、もしくは安定化を図る対策群のこと。エネルギー安全保障ともいう。短期的には、石油危機など供給国・地域や輸送経路における政情不安等による供給途絶、価格の乱高下(とくに高騰)などのリスクに対応するため、燃料備蓄、供給先の多様化や金融的手段(長期契約や先物取引)などの対応策をとる。中・長期的には、燃料の多様化、省エネルギー、国産エネルギーの導入などにより供給構造の強じん化を図る。中国やインドなど新たなエネルギー消費大国への対応、資源輸出国における国家管理強化への対応に加え、「アラブの春」など中東地域の政情不安定化や、国内の重要インフラ施設の事故やテロ攻撃など、従来になかった新たなかつ多様なリスクが顕在化してきている。今後は、1国の自助努力のみならず、多国間協力枠組みなど、地域内やグローバルな相互依存関係の強化というセキュリティー対策も重視していく必要がある。