低温・高圧の環境下で、水分子が作るかご状の結晶構造の中にメタンが取り込まれた氷状の固体物質。火を近づけると燃えるので「燃える氷」とも呼ばれる。陸域では永久凍土層の下に、海域では深海底下の地層に存在し、世界中に分布すると推測されている。埋蔵量は研究者によって見解が異なるが、世界的にみて在来型の天然ガスの資源量に匹敵するといわれている。特に日本周辺海域には相当量の賦存が見込まれており、静岡県沖から宮崎県沖に至る南海トラフを中心に、オホーツク海、日本海側でも発見されている。2001年に、官民学共同のメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)が組織され、国産エネルギー資源の獲得に向けた研究開発が続けられている。東部南海トラフをモデル海域とした調査では、この海域だけで約1兆立方メートル(11年のLNG輸入量の約10年分)の原資埋蔵量が期待されており、12~13年には海洋産出試験も行われた。