複数の分散型電源と需要家群を持つ小規模の系統(エネルギーを供給するシステム)で、電源と熱源が情報技術(IT)で一括制御管理されているオンサイト(需要地)型の電力供給システム。既存の商用系統では、遠隔地に大規模電源を建設し、基幹送電線で需要地まで送電するが、マイクログリッドは、再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオマスなど)やコージェネレーション(燃料電池など)といった環境負荷の低い分散型電源を用いること、ならびに高度な需給制御により系統への影響を緩和することを目的とする。事故時には商用系統から独立して運転可能であることもマイクログリッドの機能であるが、離島など基幹系統との連系がない場合でも、再生可能エネルギーの活用を目的としたものについては、マイクログリッドとされる。国のプロジェクトとしては、青森県八戸市、京都府京丹後市、愛知県中部臨空都市、宮城県仙台市、中国浙江(せっこう)省、タイなどで系統と連系可能なタイプの実証試験が行われ、系統連系しないタイプとしては鹿児島県、沖縄県の10島や、中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区にて実証研究が行われた。