液化天然ガス(LNG)を生産、輸送、貯蔵する設備には高レベルの技術と巨額の費用を必要とする。このため、アジア地域内のLNG取引契約では、生産国の安定収益を目的として、15~20年間の長期契約を結ぶとともに、(1)原油価格を指標としながらも固定要素を付加して原油より価格変動が小さくなるような価格決定方式(Sカーブ付き価格フォーミュラ)、(2)契約した量を引き取らない場合にもその代金を支払う規定(テイク・オア・ペイ条項)、(3)輸入者から第三者への転売を認めない規定(仕向け地条項)が通常設定される。しかし、最近は、スポット取引や10年未満の短中期契約など、より柔軟性の高いLNG取引が増えている。