一般に、電力市場での必要なサービスのうち、送電系統を通じて需要家に供給する電気の品質(周波数や電圧)を維持するために、電力系統(エネルギーを供給するシステム)の運用者が送電線利用者に対して実施する系統運用・制御に関するサービスを指す。アンシラリーサービスという言い方は、主にアメリカとヨーロッパの一部の国で使われており、電力市場での主要な取引である電力エネルギー取引に対する「補助的な」サービスというのが名前の由来である。この内容は、市場形態や系統セキュリティーなどの考え方によって国・地域で異なるが、大まかには周波数制御、予備力供給、電圧制御、ブラックスタート(全停電時の系統復旧用起動電源)などに分類することができ、系統運用上は極めて重要なサービスである。