国家(または非国家組織)が核兵器(核爆発装置)及びその製造能力を新たに獲得・保有することを防ぐこと。1970年に発効した核拡散防止条約(NPT)は、5大国(アメリカ、ソ連〔当時〕、イギリス、フランス、中国)以外の国が核兵器を取得することを禁止する一方で、それらの国には原子力平和利用の権利を保証した上で、平和利用目的の技術や核物質を軍事に転用することを禁じている。しかし、NPTに加盟していないインド、パキスタン、脱退を表明した北朝鮮が核実験を実行するなど、核不拡散体制は厳しい対応を迫られている。2013年11月、国際社会の懸念の対象だったイランの核開発問題について、イラン及び欧米など関係6カ国は、ウラン濃縮能力の制限などの条件で合意した。これは、国際的な核不拡散体制の維持・強化への歴史的な一歩との評価がある一方で、イスラエルなどが中東地域の安定を危うくするとの批判を表明するなど、解決に向けてなお困難が予想される。