第一次石油危機(1973年)後、国際エネルギー機関(IEA International Energy Agency)が発足し、加盟各国には90日分の石油備蓄が義務づけられた。これを受け日本でも、1976年に石油備蓄法(2002年から新石油備蓄法に改正)が施行された。現在の備蓄目標は、民間備蓄で70日分、国家備蓄で5000万キロリットルとなっている。05年8月に、アメリカのメキシコ湾岸石油生産地帯をハリケーン「カトリーナ」が襲ったときには、IEAによる国際的な協調備蓄放出が実施され、日本もこれに協力した。11年のリビア内戦時にも同様の協力を行った。近年、石油供給にかかわるリスクが多様化していることに加え、東日本大震災直後に石油製品流通が混乱した経験を踏まえ、ガソリン・軽油・A重油を含めた国家製品備蓄の質的量的増強や機動性強化なども検討されている。