発電、送配電、小売供給という電気事業の垂直統合の体制を部門ごとに切り分けること。1990年代初頭からの世界的な電気事業制度改革の動きの中で、市場参加者に対し送配電網への公正なアクセスを保証し、電力市場の競争を活性化させることを目的として、ネットワーク部門の切り出しや、発電部門の分離という形でアンバンドリングが実施されてきた。アメリカでは、送電系統の運用部門を独立させる独立系統運用者(ISO)や、系統運用を各電力会社の送電系統をまたいで担当する地域系統運用機関(RTO)といった組織が誕生している。一方ヨーロッパでは、送電事業者と既存の電力会社の資本関係を完全に断つ所有権分離や、送電事業者を別法人とする法的分離が実施されている。日本では、同一会社内の部門間の内部相互補助を禁止し、さらに行為規制を伴う送配電部門の会計や機能の分離が実施されているが、電力システム改革の動きの中、構造的分離として、送配電部門の法的分離を実施することが予定されている。