ディーゼルを燃料とする乗用車の普及拡大のこと。ディーゼル車は同じ性能のガソリン車に比べ約2~3割燃費が良いことから、ディーゼルシフトは、2007年に制定されたエネルギー基本計画のなかでも、運輸部門の省エネ対策の一つとして、重点的に取り組む項目にあげられている。ディーゼル車の課題であったNOX(nitrogen oxides 窒素酸化物)やPM(particulate matter 粒子状物質)の排出は、EGR(exhaust gas recirculation 排出ガス再循環装置)、コモンレール式高圧噴射システム、触媒およびDPF(diesel particulate filter ディーゼル微粒子除去装置)などを用いた燃焼制御や後処理により、ガソリン車と同レベルに抑えることが可能になった。さらに、触媒を効率的に利用するには燃料の低硫黄化も有効である。日本の石油業界では、欧米に先駆けて、2005年に軽油のサルファーフリー化(硫黄分を10ppm以下に低減すること)を進めた一層の排出ガスのクリーン化を実現し、ディーゼルシフトに対応している。