中東と北アフリカの砂漠地域において太陽熱発電により発電した電力を、高圧直流送電により中東、北アフリカ、ヨーロッパに送電する構想。2003年に国際的な研究・提言グループであるローマクラブのドイツ支部「デザーテック・インダストリアル・イニシアチブ」が開始したプロジェクトで、ヨーロッパの電力需要量に関する目標は、50年までに15%を供給することである。 一方、08年にフランス系の企業が中心となり、地中海沿岸の砂漠地域の太陽エネルギーを利用して、海底ケーブルでヨーロッパと連係し、送電する構想である「トランスグリーン(Transgreen)」も提案されている。両者の差異は、主導国と発電地域の違いである。デザーテックの提唱者の一人であるゲルハルト・クニース博士によれば、「地球上のすべての砂漠地域から6時間受け取るエネルギーは、人類が消費する1年間分以上のエネルギーに匹敵する」とされている。