各地域の一般電気事業者が安定供給の義務を負う垂直一貫型の事業体制から、より一層の競争原理や価格メカニズムを活用する電力需給体制への移行を目指す制度改革。東日本大震災以後、大規模電源喪失による電力供給停止のリスクが顕在化したことなどを背景としている。2012年2月以降、電力システム改革専門委員会にて議論が行われた後、13年11月にはこの改革に関わる電気事業法改正が成立した。この改正では、15年を目途として地域間での電力需給調整機能を強化するための「広域的運営推進機関」を創設することが定められた。また、附則にて、16年を目途に電気の小売業への参入の全面自由化を実施することや、18年から20年の間を目途に法的分離による送配電部門の中立性の確保、並びに電気の小売に関わる料金の全面自由化の実施が示された。附則事項に関わる法案は、今後の国会に提出することとしている。