石油や天然ガスなどの資源について、探鉱・開発・生産段階を上流と呼び、それに投資を行うことを上流権益の取得という。投資のシェアに応じて、生産物もしくは相当量の売却利益を取得する権利を得る。上流事業は一般にハイリスク・ハイリターンであり、リスクを分散するために複数の主体によって権益をシェアすることが多い。石油メジャーなどの石油開発事業者(Exploration and Production : E&P)がその主な担い手となる。上流プロジェクトへの参画形態としては,実際の探鉱や掘削などのオペレーションを行う場合と、投資のみのノンオペレータとして参画する場合がある。近年欧米では、電力会社やガス会社といったいわゆる公益事業者が、天然ガスの上流権益を取得する例が見られる。これは、安定的な燃料調達や、上流事業の原価情報を取得するといった目的の他に、上流事業を成長ビジネスと捉え、投資収益を求めて投資する場合もみられる。