年間売上高1兆円超規模の巨大卸売業のこと。広域展開のチェーンストアの成長にともなう取引形態の変化や、大手メーカーによる取引先卸の集約化に対応して、同業種や異業種の卸売業が、M&Aや提携をすることによって、卸売業の集約化が進んでいる。規模拡大を実現した大手卸売業は、物流情報化を推進し、中間流通機能を高度化させることで、中小卸との格差を広げている。とくに、総合スーパーやコンビニエンスストアなどのチェーン小売業から一括納品を要請されるようになった食品卸売業は、地方卸を子会社化することで全国的な流通網を築く一方で、M&Aや提携により酒類や菓子、冷凍食品など異業種卸も含めた中小卸を傘下に収め、品ぞろえをフルライン化し、総合卸売業への転換を図っている。日用雑貨卸や医薬品の分野でも大同団結的な動きが目立つ。また総合商社も小売業や外食への商材の効率供給の観点から、食品卸売業への出資を拡大し続けている。