卸を経由せず小売業がメーカーから直接仕入れること。欧米では直取引がコスト削減や商品の安定供給、小売業のリーダーシップ強化に貢献している。日本でも総合スーパーのイオンが積極的なほか、外資の進出に対応してP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)や日本リーバなど外資系消費財メーカーが、一定の条件下ではあるものの直取引導入に踏み切ったことから、普及の可能性が出てきた。その他の小売業にも、グローバル競争下で生き残るためには直取引により収益構造改善を図らなければならないとの認識が広がっているが、長年、卸売業にコストやリスクの多くを転嫁してきたために発想転換は容易ではなく、また取引形態の変更には多くの資金を必要とするために、実現できる企業は各業界のトップ企業に限られると見られる。