途上国の生産者に対して、生産コストを上回る価格で生産物を買い取る仕組み。穀物などの商品価格の変動を問わず、生産農家の所得が安定化することをめざす運動で、1980年代にオランダで始まった。コーヒー豆の市場価格が暴落、各地でコーヒー農家が苦境に陥ったのを救うための運動がきっかけと言われる。その後、イギリスで慈善事業を手がけるオックスファムやクリスチャン・エイドなど6団体が92年、貧困撲滅に向けた個別の活動をフェアトレード基金に統合して、運動を定着させた。認証マークを付与するにあたり、同基金が生産者を調査、その後の経過についてもモニターする。日本を含む21カ国に同様の組織があり、97年に設立された国際機構フェアトレード・ラベリング・オーガニゼーション・インターナショナル(FLO)が全体の活動を束ねている。