イギリスのC.ランドリー著「創造都市」(2000年)がブームの端緒となり、国際的に注目されるようになった、まちづくりの発想で、芸術家やクリエーターたちの力を借りて都市と市民の活力を引き出そうとする都市や、そのようなまちづくりのことを意味する。短絡的に文化を商業化するわけではなくて、衰退した都市を文化芸術で再生するのが本来の趣旨である。経済の中心がITやコンテンツビジネスのような知的産業へと移行した結果、旧来型の都市機能が衰退したヨーロッパ諸都市では、グッゲンハイム美術館誘致を機に、現代美術による産業創出に成功したスペインのビルバオや、廃業した工場を創作や発表の場に転換するなど街中に創造スペースを設けたフランスのナントのような成功モデルを生んでいる。またイギリスでは1998年に広告、建築、美術・骨董品市場、デザインなどの13分野を創造的産業群に指定、振興に力を入れている。上海、台北、シンガポールなどのアジアでも注目されており、不況や都心の空洞化に悩む日本でも関心が集まっている。