地域名と、商品やサービス名を組み合わせた商標のこと。かつての法体系では登録に際して条件が厳しく、文字のみで商標登録されたのは10例余りだったが、2006年4月施行の改正商標法の新しい地域団体商標制度により、一つの団体がその構成員だけに使わせることを前提にして、「全国レベル」だった知名度の条件が「複数の都道府県に及ぶ程度」にまで緩和された。その結果、全国各地で野菜や果物、畜産品、菓子や地酒や伝統工芸品などの特産品の地域ブランドを核にした地域おこしへの期待や試みが盛り上がっている。地方自治体の中にも支援体制を整えるところが目立つ。しかし、全国的な規模で顧客を獲得するためには、地域ブランドとしてのお墨付きを与え、維持管理する機関や組織の統制能力が問われるとともに、個人や中小零細業者への依存度が高い供給体制の不安定度を克服することが課題である。