買い手側が自らトラックを仕立てて、複数の取引先を巡回して集荷する物流方式。牛乳メーカーがミルクを集める際に、牧場の牛舎を巡回する方式から名づけられた。売り手側がトラックを仕立てて納品する場合、物流コストは仕入れ原価に含まれるが、ミルクラン方式では売り手側の工場や物流拠点で商品が引き渡され、買い手側が物流コストを負担するため、商品原価と物流コストが分離される。その物流コストを低減できれば、買い手側の利益拡大につながる。多頻度小口化が進む中で、物量がまとまらず積載効率が低下している企業に導入された場合、物流コストとトラックの車両台数削減の効果がある。特に自動車メーカーでの導入が進んでいる。また小売業ではバックホール方式(物流センターから小売店舗へ納品した車両をメーカーや卸売業に向かわせ、商品を集荷してくる、帰り車利用による引き取り物流)を導入する例もある。欧米の大手スーパーマーケットでは、バックホール方式が仕入れ商品の15~20%を占めるケースもある。