古紙を原材料に板状の繊維を作り、それに樹木から抽出したリグニンと呼ばれる接着作用のある成分を加えて作る再生素材。舩岡正光・三重大学教授が開発した。軽く強度があり、木のように切ったり釘を打ったりできるので、カップやハンガーなどの小物から大型家具まで自在に作れる。また特殊な溶液に浸すとバラバラな状態に戻すことができるため、何度でもリサイクルが可能。完全循環型リサイクルシステムとしては、帝人が2002年に開発したポリエステル繊維再生技術の「エコサークル」とも共通する。プラスチックの代替品や自動車の内装材などの用途のほか、量産化されコストダウンが進めば、家電製品の梱包材や輸送用パレットなどのリサイクル利用も見込まれている。徳島県那賀町が豊富な森林資源を生かすべく工業団地へのリグニン生産プラント誘致に名乗りを上げるなど、過疎に悩む地域の振興にも役立つことが期待される。