タレントやスポーツ選手などの氏名・肖像のもつ財産的価値を独占的に支配する権利。パブリシティー権。肖像権は何人にも認められる人格的利益であるが、パブリシティー権は特に有名人の氏名・肖像がもつ顧客吸引力に着目した経済的利益といえる。1953年以降アメリカで判例法上認められてきた権利で、日本においては76年6月29日に東京地方裁判所で「氏名および肖像に関する財産的利益」が不法行為法上の保護法益であると判示されたのが最初と考えられている(マーク・レスター事件)。また、2012年2月2日に日本の最高裁判所は、専ら肖像等の有する顧客吸引力を無断で利用する行為が、パブリシティー権を侵害するとの初の判断基準を示した(ピンク・レディー事件)。