ブッシュ政権(当時)は、2001年5月にNMD(国家ミサイル防衛または米本土ミサイル防衛)とTMD(戦域ミサイル防衛)の区別をなくし、全体をミサイル防衛(MD)とした。その後、01年12月にその開発と展開を制限する対弾道ミサイル(ABM)条約からの脱退を通告し、条約は02年6月に失効した。02年12月に早期配備計画を発表し、地上配備システムをアラスカおよびカリフォルニアに配備している。これらは実験用であるが、必要時には迎撃に活用されるとされ、06年7月の北朝鮮ミサイル発射時には、実戦モードで運用された。地上配備システムは08年に計30基の迎撃ミサイルを配備し、17年までに計44基を配備する予定である。またイージス艦配備のシステムとパトリオットPAC3の早期配備も決定し、06年8月には、迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦シャイローが横須賀に配備され、10月には沖縄嘉手納基地にPAC3が配備された。その後に戦域高高度地域防衛(THAAD)、航空機搭載レーザーによるブースト段階(発射直後)での迎撃、宇宙配備の運動エネルギー迎撃機の開発等が予定されている。オバマ大統領はミサイル防衛の開発・配備には慎重であり、費用対効果が良くかつ性能が証明されることを条件としている。