アメリカでのミサイル防衛の早期配備決定および北朝鮮のミサイルの脅威を背景として、日本政府は、2003年12月にミサイル防衛の早期導入を決定した。これは時間のかかる日米ミサイル防衛共同開発とは別で、アメリカがすでに独自で開発した、地上配備型パトリオットPAC3と、海上配備型スタンダードミサイル3(SM3)を購入し、2段階で弾道ミサイルを迎撃するもので、07年3月に埼玉県入間基地にPAC3が配備され、その後、習志野(千葉県)、武山(神奈川県)、霞ヶ浦(茨城県)、浜松(静岡県)に配備された。政府は、これは専守防衛の理念に合致し、集団的自衛権の行使には当たらないとする。また同年12月に防衛省は、海上自衛隊のイージス艦「こんごう」に搭載したSM3の初めての発射実験を行い、標的の模擬中距離弾道ミサイルの迎撃に成功した。08年9月に陸上自衛隊はPAC3の初の実射試験をアメリカ本土で行い、迎撃に成功した。日本は北朝鮮のミサイル発射に対して、09年4月にSM3搭載のイージス艦2隻を日本海に展開し、PAC3を秋田県と岩手県および首都圏に配備した。12年4月には、北朝鮮のミサイル発射に対し、SM3搭載イージス艦を日本海に1隻、東シナ海に2隻展開し、PAC3を沖縄本島、石垣島、宮古島に配備し、同年12月にも同様の配備態勢を敷いた。