イギリスの保有する核戦力は、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「トライデント」のみであるが、耐用年数の関係で、この後継システムを2010年までに決定する必要があり、国内では核放棄の可能性も含めた議論が展開されていた。06年12月にブレア首相(当時)は、国際安全保障環境は不透明であり、トライデントをこれからも維持することを表明し、07年3月にイギリス下院はこれを承認した。イギリスは同時に核弾頭を200から160に削減すると発表した。さらに10年10月に「戦略防衛および安全保障の見直し」を発表し、最小限の効果的な抑止力が必要であるとし、トライデント・システムの更新計画を見直し、核弾頭を160から120に削減するとした。