2007年1月にアメリカの元政府高官などが、テロリストに核抑止は効かないし、新たな核兵器保有国では誤算や事故で核兵器が使用される可能性が高いので、アメリカの安全のためには、アメリカがリーダーシップをとって核兵器廃絶を約束し、そのための具体的な措置をすぐにとるべきであると「核兵器のない世界」を提案した。シュルツ元国務長官、キッシンジャー元国務長官、ペリー元国防長官、ナン元上院軍事委員会委員長の4人の提案であり、彼らは冷戦期には核政策を作成し、かつては核抑止を強く支持していた人々であるので、注目されている。オバマ大統領は選挙運動中から「核兵器のない世界」への支持を表明しており、08年8月の民主党の政策綱領でも、核兵器のない世界をめざすことがうたわれた。また09年6月には、世界中の元国家元首や外務大臣などを含むグローバルゼロ委員会が、4段階にわたる「グローバルゼロ行動計画」を発表し、2030年に核兵器ゼロに達する提案を行っている。