クラスター爆弾とは、一つの親爆弾に数百個の子爆弾を詰め、空中で分散させるもので、特に不発弾の割合が高く、戦闘終了後に民間人が死傷する危険が高いことで、第2の地雷といわれる。2000年以降もレバノン、アフガニスタン、グルジア、イラクで使用された。有志国家とNGOが主導する「オスロ・プロセス」は、ノルウェー政府の呼びかけで2007年2月にオスロで始まり、08年末までに禁止条約を作成することを目指す宣言を採択した。08年5月のダブリン会議でほぼ全面的にクラスター爆弾を禁止する条約案が参加110カ国の間で合意された。条約の署名式が同年12月3日にオスロで開かれ、日本を含む94カ国が署名した。条約はクラスター爆弾の使用、開発、製造、貯蔵、保有、移転を禁止し、発効後8年以内にすべての在庫を廃棄することを義務づけている。しかしこれには、アメリカ、ロシア、中国などは参加していない。日本は、条約で認められている最新型クラスター爆弾も保有せず、全面廃棄する。09年7月、日本は条約の批准書を国連に寄託し、主要国ではドイツに次ぐ批准国となった。発効に必要な30カ国が批准したため、条約は10年8月1日に発効した。第1回締約国会議が同年11月9~12日にラオスのビエンチャンで開催され、その宣言において、国際社会として全廃実現への努力を約束し、66項目の行動計画で、締約国は1年以内に保有弾の廃棄計画を作成し、廃棄開始に努力することなどが合意された。他方、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」の枠組みの中で、クラスター爆弾の使用を禁止するための議定書作成の交渉は06年より実施されており、11年11月に、アメリカなどは不発率の高い古い爆弾を禁止し、不発率1%以下の新しい爆弾については使用を容認する新しい議定書案を提出したが、採択されなかった。