潜在的な敵国に対し、その国からの攻撃があった場合には核兵器による耐えがたい反撃を行う意図と能力があることをあらかじめ示すことにより、相手国からの攻撃を思いとどまらせようとする考えである。拡大抑止はこの効果を同盟国にまで拡大するもので、NATO(北大西洋条約機構)諸国や日本、韓国などにアメリカの拡大抑止が与えられている。これは核の傘ともいわれる。核兵器による攻撃の場合にのみ核兵器で反撃することを先行不使用というが、NATOもロシアも、あらゆる攻撃に対して、核兵器で反撃することを排除していない。テロリストには抑止は効かないため、最近その限界が議論されている。