アメリカとロシアが2002年5月24日に署名し、03年6月1日に発効した条約。両国は実戦配備した戦略核弾頭を12年12月31日までに1700~2200に削減することを約束した。全文5条のみからなるきわめて簡潔な条約で、戦略攻撃能力削減条約とも呼ぶ。アメリカの主張する柔軟性が基礎にあり、核戦力の構成に規制はなく、撤去された核弾頭も運搬手段も破壊することなく保管ができ、削減のスケジュールも検証に関する規定もなく、脱退はいっそう容易になっている。11年2月5日に新START条約が発効したため、その条約の規定に従い、モスクワ条約は同日失効した。