核爆発が起こる臨界に達する直前までの実験であり、臨界前核実験ともいわれている。包括的核実験禁止条約(CTBT)の交渉過程でも議論されたが、条約は実験的爆発のみを禁止したため、核爆発に至らないこのような実験は禁止されていない。しかし、新たな核兵器の開発の可能性も否定できない。2010年9月15日にアメリカはオバマ政権下では初めての実験を、ネバダ核実験場の地下300メートルの施設で実施した。その後同年12月1日と11年2月2日、さらに12年12月5日にも実施した。オバマ政権で4回目の実験であり、1997年以来27回目である。貯蔵する核兵器の安全性と信頼性の維持のためであるといわれている。アメリカは未臨界核実験を補完するため2010年に1回、11年に3回、12年に2回、13年にも5月と9月に「Zマシン」という装置を使った新型の核実験を実施した。爆発を伴わないのは未臨界核実験と同じであるが、核実験場ではなく研究施設で実施され、使用するプルトニウムの量も8グラム未満と、未臨界核実験の約1.5キログラムよりもかなり少ない。14年にも9月と10月に実験を行っている。