アメリカのブッシュ大統領(当時)が2003年5月31日に提示した構想で、大量破壊兵器およびミサイルの取引を行っている船舶などの臨検を強化し、それらの拡散を防ごうとするもの。拡散に対する安全保障構想ともいう。同年9月にアメリカ、日本、ヨーロッパ諸国など11カ国が阻止原則宣言を採択し、疑惑のある船舶の立ち入り検査と押収、自国通過の航空機への適用、機密情報の交換などに合意した。その後、海上阻止訓練が実施されており、日本を中心として04年10月には「チーム・サムライ04」を、07年10月には「パシフィック・シールド07」を実施した。15カ国がコア・グループとして参加していたが、それは05年に廃止され、現在90数カ国が支持を表明している。中国は参加していないが、韓国は09年5月に参加した。アメリカのオバマ大統領はこれを制度化すると述べている。05年10月にシージャック防止条約が改正され、大量破壊兵器関連物資の海上輸送も犯罪とされた。12年7月には、日本主催のPSI航空阻止訓練「パシフィック・シールド12」が北海道の札幌市と千歳市で実施され、オーストラリア、韓国、シンガポールが装備・人員を派遣し、その他17カ国が参加した。