化学兵器を全面的に禁止する条約で、1993年1月に署名され97年4月に発効した。2015年3月1日現在、締約国は190カ国。正式名は「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約(Convention on the Prohibition of the Development, Production, Stockpiling and Use of Chemical Weapons and on their Destruction)」であり、これらの活動を禁止するとともに、保有する化学兵器を10年以内に廃棄することを義務づけている。条約はその実施のために化学兵器禁止機関(OPCW)を設置し、違反の疑いがある施設に対し受け入れ国の承諾を得ずに査察できるチャレンジ査察(申し立て査察)を取り入れた画期的なものである。中東諸国や北朝鮮は加入していない。化学兵器関連品目の輸出管理政策の枠組みとしては、85年に設置されたオーストラリア・グループ(AG)がある。