天然ウランを濃縮する過程で派生する核廃棄物である劣化ウランを弾頭に使用した爆弾で、比重が重く貫通力が強いため対戦車砲などとして威力を発揮している。2003年のイラク戦争で、また湾岸戦争やボスニア、コソボで使用され、その放射能被曝を原因とした一般市民への深刻な健康被害や環境被害が批判されている。アメリカ、イギリスの従軍兵の湾岸戦争症候群の原因とも考えられている。07年12月に国連総会は、劣化ウラン弾の影響調査を求める決議を採択し、08年10月に事務総長報告が出され、ボスニアなど少数の国はその危険性を訴えたが、劣化ウラン弾を保有する国のほとんどは意見を提出しなかった。アメリカ政府などは劣化ウラン弾と被害との直接的な因果関係を認めていない。08年12月に国連総会は同様の決議を採択した。