2008年4月にアメリカは、イスラエルが07年9月にシリアで建設中の原子炉と疑われる施設を空爆した件に関して、シリアは原子炉の建設を秘密裏に進めていたこと、北朝鮮がシリアの核活動を支援していたこと、原子炉は民生用ではなかったという十分な理由があることを明らかにした。この内容をシリアも北朝鮮も否定している。08年11月にエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)事務局長は、破壊された施設の現地調査で採取した環境サンプルから微量のウランが検出されたこと、それは濃縮ウランではなく、原子炉があったとは決めつけられないことを報告した。11年5月に天野之弥IAEA事務局長がシリアはかつて秘密裏に原子炉を建設していた疑いが濃厚と報告し、それを受けてIAEA理事会は同年6月9日、シリアの行動は保障措置協定の不順守に当たるとし、国連安全保障理事会(安保理)への付託を求める決議を採択した。