北大西洋条約機構(NATO)の防衛と安全保障に関する基本的指針を定めるもので、2010年11月19日に11年ぶりに改められた。大量破壊兵器の拡散およびテロリズムがNATOへの主要な脅威であり、核戦力と通常戦力の組み合わせを維持し、ミサイル防衛でロシアと協力し、国際テロ予防能力を高めると規定する。核軍縮については、NATOは核兵器のない世界の条件、および核兵器のいっそうの削減の条件を作り出すことを求め、ロシアとの間では、ヨーロッパの核兵器の透明性を高め、NATO加盟国の領域から遠ざけることが目的であると規定する。ドイツやベルギーなどは、ヨーロッパに配備されているアメリカの核兵器の撤去を主張してきたが、戦略概念ではそのような主張はまったく採り入れられなかった。