国際原子力機関(IAEA)の理事会は、2010年12月3日に、IAEAが主体となり、原子力発電に使う低濃縮ウランを安定供給するための核燃料バンクの設立を決議した。ウラン濃縮が技術的に核兵器の開発につながることから、それを抑制するため、国際情勢の影響などで低濃縮ウランを購入できない国から要請があった場合に、IAEAが低濃縮ウランを供給する。平和利用を口実に核兵器開発を進める動きを封じる効果が期待されているが、バンクを利用する国にはウラン濃縮を放棄する義務は課せられていない。10年3月には、IAEAとロシアが合意した燃料供給制度があるが、これはロシアが運営主体でIAEAが監督するものである。