核兵器の使用は壊滅的な人道的結末をもたらすことから、いかなる状況においても核兵器が2度と使用されないことが人類の生存そのものにとっての利益であり、それを保証する唯一の方法は核兵器廃絶であるという内容の声明。正式名称は、「核兵器の人道的結末に関する共同声明(Joint Statement on the Humanitarian Consequences of Nuclear Weapons)」。2013年10月21日、国連総会第1委員会で賛同国125カ国を代表してニュージーランドにより読み上げられた。同様の声明はこれまで3度発表されているが、日米同盟による核の傘との関連で支持できないとしてきた日本政府も、今回初めて共同声明に参加した。基本的内容は以前と変わらないものの、国内において広島・長崎市長や被爆者などからの鋭い批判を受けたこと、また、声明の中に日本が追求する実際的で段階的な内容である「核軍縮に向けたすべてのアプローチおよび努力を支えなければならない」という文言が挿入されたこともあり、支持に回った。ここ数年、人道的核軍縮というアプローチが強力に主張されており、この声明はその流れの重要な要素となっている。しかしながら、この声明に法的拘束力はなく、あくまで政治的な意思表明である。核兵器を保有するすべての国および北大西洋条約機構に参加するほとんどの国は参加していない。14年10月20日に、国連総会においてニュージーランドにより読み上げられた同様の共同声明には、155カ国が参加した。