核兵器の使用に対する人道的影響を科学的な事実に基づいて議論するための国際会議。第1回会議は、ノルウェー政府の主催で2013年3月にオスロで開催された。参加したのは、127の国および国連、赤十字国際委員会などの関係機関。会議では、(1)核兵器の爆発による即時の人道的影響、(2)広範かつ長期的な影響、(3)人道的備えと対応、などが議論された。議長総括では、(1)いかなる国家も国際機関も、核兵器の爆発による即時の人道的緊急事態に十分対応することはできない、(2)核兵器の使用は壊滅的な即時的および長期的な結果をもたらす、(3)核兵器の爆発の影響は国境内に閉じ込めることはできず、地域的・地球的に重大な影響を及ぼす、と述べている。第2回会議はメキシコ政府の主催で14年2月にナジャリットで、第3回はオーストリア政府の主催で同年12月にウィーンで開催された。議題には、核兵器の地球的公共衛生への影響、経済成長および持続可能な発展に対する影響、故意または偶発的な核兵器使用のリスクなどが挙がった。第2回にはNGOを含む146の国と関連機関、第3回は学術界も加わり158と、参加数は増加していった。しかし、核兵器保有国では、第3回会議にアメリカとイギリスが参加しただけで、ロシア、フランス、中国は不参加であった。日本からは、第1回会議から被爆者なども参加し被爆の実相について証言を行った。