航空機の不法奪取(ハイジャック)や破壊などの行為で、国内裁判所で裁かれるのを原則とするが、個人の国際犯罪として国際法によっても規制される。国際民間航空機関で審議された東京条約は1963年に成立し、航空機内の犯罪等に対する裁判権を航空機の登録国に認めた。その後60年代末以降のハイジャックの多発から、70年にハイジャック防止条約(ハーグ条約)が成立して、締約国は国内法で重い刑罰を科すことができるよう義務付けられると同時に、裁判権を着陸国や容疑者所在国等に拡大した。翌71年にはモントリオール条約が成立し、航空機の安全を損なう行為や機内の暴力行為、爆発物の持ち込みなどを犯罪としてハイジャックと同様に規制する。また2001年9.11テロは、ハイジャックした航空機を地上の無差別攻撃に使用する未曽有(みぞう)の航空機犯罪であった。