北太平洋の公海の漁業資源の長期的な保存と持続可能な利用の確保を目的とする条約。正式名称は「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」。条約作成交渉には、日本主導のもと、アメリカ、韓国、ロシア、カナダ、中国、台湾が参加し、2012年2月に東京で採択された。対象水域は、主に北緯20度以北の北太平洋の公海で、日本の遠洋底魚漁業にとって最も重要な天皇海山(てんのうかいざん)漁場を含む。資源の対象となるのは、サンマ、ツボダイ、キンメダイ、アカイカなど。マグロなど他の条約で保存・管理される魚種は対象外。条約の目的達成を支援する北太平洋漁業委員会(NPFC ; North Pacific Fisheries Commission)の設立も決定しており、13年9月、東京に準備のための事務局の設置が決まった。なお、条約の対象水域内での年平均漁獲量は、日本の約1万4000トンに対して、台湾は約13万6000トン、中国は約7万7000トンと多い。条約は、台湾を除く関係6カ国のうち4カ国が批准し、180日後に発効することになっているが、14年6月現在、締約国は日本とカナダのみである。