1993年1月にパリで署名された「化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約」(「化学兵器禁止条約」)に基づいて設立された国際機構。化学兵器禁止条約は、サリンなどの化学兵器の開発、生産、貯蔵、使用などを包括的に禁止し、同時に現在保有している化学兵器を一定期間内に全廃することを定めた条約で、その実効的な検証を実施するために、化学兵器禁止機関(OPCW)が97年5月オランダのハーグに設立された。2013年10月現在、日本を含む190カ国が加盟。13年、内戦下のシリアで化学兵器の使用が問題視されてOPCWによる現地査察が行われ、その結果存在が明らかになった化学兵器の安全な廃棄に向けての作業が進められている。OPCWは、化学兵器禁止活動を通しての平和への貢献が評価され、2013年にノーベル平和賞を受賞した。