スーダン西部のダルフールでは、2003年にアラブ系民兵組織と非アラブ系反政府組織の間に内戦が勃発し、数十万の犠牲が出て、200万人が難民生活をしていると推定されている。西側諸国は1990年代のルワンダ虐殺の再来を防ぐとして2006年8月、国連PKOの派遣を決議したが、アラブ系が支配するスーダン政府は部隊受け入れを拒否し、アフリカ連合(AU)部隊のみが派遣されたが、事態を収拾できなかった。事態紛糾の背景には、石油利権をもつ中国や、武器を売却するロシアのスーダン政府支持があるとの見方が西側に広がった。これに応えるように中国は国連PKO派遣の支持に転換、07年7月、スーダン政府は国連・AU合同部隊の受け入れに同意し、中国も部隊参加を表明した。