構成主義とも訳される。1980年代に隆盛したネオリアリズム、ネオリベラリズムが主体の合理性を仮定し、結果として冷戦の劇的かつ平和的な終焉(しゅうえん)のような巨大な変化を十分に説明、予測できなかったという判断から、主体の自己定義、知識、文化、信念、期待、国際規範といった主観的要因を組み込もうとする理論。類似した発想はイギリス学派(English School)にも見られた。社会に固有の「戦略文化」を重視する研究や、特定の問題に関する専門的知識と規範的意識を共有する研究者やNGOが国際的な政策形成に与える影響に着目するエピステミック・コミュニティー(epistemic community)論とも関連を有する。近年では、構成主義に改めて主体の合理性の議論を取り入れようとする新古典派的コンストラクティビズムや、逆に既存の社会科学的方法論全般の否定を主張するポストモダン・コンストラクティビズムなどの系譜が生まれてきている。