日本語で「サミット」とは主要先進国首脳会議を指す。1975年にフランスのジスカールデスタン大統領の提唱でパリ郊外のランブイエで開かれた日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアの首脳会議が始まりであり、翌年カナダが加わって7カ国の年1回の首脳会合(77年からは欧州共同体委員長も参加)となった。また、その少し前から主要先進国の蔵相、中央銀行総裁の間で非公式の会合がもたれるようになり、85年9月のプラザ合意からは先進5カ国の蔵相会議として公式化し、翌年にはサミットにならって7カ国のG7となった。これらの枠組みは戦後に構築されたブレトンウッズ体制が有効に機能しなくなった70年代から80年代にかけて、西側資本主義国間で経済問題を討議し、財政金融政策を相互調整する場としての役割を果たした。80年代にはサミットは次第に政治色を強め、ソ連のアフガニスタン侵攻やテロに対する非難など西側の一体性を確認するようになった。冷戦終焉(しゅうえん)後、91年にはソ連(当時)のゴルバチョフ大統領がサミットに招待され、97年にはロシアが正式参加となり、翌年からG8サミットとの呼称を使いはじめた。近年では反グローバル運動の標的とされ、また招待国も増えるなど、首脳会合としての性格は変化してきている。2006年7月、ロシアがG8入りして初めて、ロシア主催のサミットがサンクトペテルブルクにおいて開催された。