グローバリゼーションに対して、地域単位での統合や協力を進める政策を指す。欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)などがその例であり、経済分野での地域主義が目立つ。地域主義が推進されるにはいくつか理由がある。グローバリゼーションの進行は世界で一様ではないので、つながりの深い国の間で自由化や規制の共通化を進めること、グローバリゼーションのマイナス面を抑制、管理すること、国際社会に対して発言権を確保するために共同歩調をとることなどである。従って地域主義はグローバリゼーションを拒絶したり、閉鎖的なブロックを形成したりすることを目指しているわけではない。しかし地域統合の深化が事実上、地域の内と外の区別を強化したり、地域主義が文化的色彩を強め、排外的な感情を強めたりするような可能性がないとはいえない。グローバリゼーションと地域主義が相互補完的に進行するのか、対立的に進行するのかは、今後の世界秩序のあり方を決める、重要な要因の一つであろう。