G20は、アジア金融危機を受け、G7と欧州連合(EU)代表によって行われてきた財務大臣・中央銀行総裁会合に新興12カ国を加えた会合として1999年に開始された。2008年のリーマン・ショックを受け、アメリカがG20首脳会議を提唱し、第1回G20首脳会合が同年11月にワシントンで開催され、09年4月第2回ロンドン会合、同年9月に第3回ピッツバーグ会合を経てG20首脳会合の定例化が合意された。G20参加国(G8およびEU以外の参加国は、中国、韓国、インドネシア、インド、サウジアラビア、トルコ、メキシコ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、南アフリカ)は世界経済の8割強、世界人口の3分の2を占めており、従来のG7ないしG8の枠組みに対して、世界の経済的現実をより反映した枠組みとして見られるようになった。トロントでの第4回首脳会議(10年6月)では日本を除く各国が13年までに財政赤字を少なくとも半減する目標にコミットし、初めてG8国以外で開催された第5回ソウル・サミット(10年11月)では通貨切り下げ競争の回避がうたわれた。G20の場で世界経済危機に対して共同で対処するメッセージを発し、各国が拡張的な経済成長で足並みをそろえたことは、世界経済の安定化を促したとして評価できる。しかしG20には先進国と途上国を交えた多数の国が参加し、G7ないしG8にも増して複雑な利害が交錯しているため、G20が重要な決定を行う場として機能するかについては懐疑論も強い。