2013年6月、アメリカの情報機関で契約社員として働いていたエドワード・スノーデンが香港でアメリカの情報収集活動を暴露し、亡命を希望する旨を公表した。暴露によれば、アメリカ国家安全保障局(NSA)は、世界規模でインターネットを傍受し、海外機関へのハッキングや同盟国に対する情報収集を大規模に行っていた。この暴露は、特に首脳の交信記録が傍受されていたドイツなどヨーロッパや、ブラジルなど中南米で強い反発を招き、アメリカとの外交関係を緊張させたとともに、中国によるハッキングを非難していたアメリカの発言力を低下させた。また、アメリカ国内でもオバマ大統領を支持してきたリベラル派に大統領への失望を強めさせる原因ともなった。この事件ではアメリカ大手IT企業の協力も取りざたされており、巨大な情報が集積されるビッグデータがもつ安全保障上の重要性を浮かび上がらせることにもつながった。